平素よりお世話になっております。柏木綾世です。
今回は、私が足かけ7年という長きにわたり、生活のプライマリ(主軸)として使い続けてきた「マリオットボンヴォイ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」についてお話しします。
世間を騒がせた年会費の改定以降、多くのブログやSNSで保有の是非が議論されてきましたが、私が出した結論は「卒業」です。
感情的なコストパフォーマンス論ではなく、7年間フルに使い続けたからこそ見えてきた、このカードの「本質」と「ライフステージとの乖離」を、順を追って整理していきます。
今から7年前、私はクレジットカードの知識がほぼゼロの状態で、職場の信頼できる先輩に勧められるがまま、このカード(当時はSPGアメックス)を発行しました。
当時の私は、「貯まったポイントで高級ホテルに泊まれる」「マイルへの還元率が非常に高い」と言われても、その価値がいまいちピンと来ていませんでした。「年会費の高い、ちょっと格好いいカード」という程度の認識で、正直に言えばブームに乗っかっただけのスタートだったのです。
しかし、結果として、このカードは私の消費行動と旅行体験を大きく広げてくれた一枚となりました。
【1. どんな使い方をしてきたか】
発行して以来、私は妻の家族カードも発行し、我が家のメインカードとして完全に決済を集約させました。 日々の食費や日用品の買い物はもちろん、家賃、光熱費、通信費、そして旅行代金に至るまで、家庭の支払い全般をすべてこのカード1枚で決済。年間決済額は優に数百万を超え、マリオットのポイントやエリートステータスを最大限に獲得する、いわゆる「カードの優等生」的な使い方を7年間フル活用で続けてきたのです。
【2. 一番良かった体験】
この7年間で最も記憶に残っているのは、大阪万博の期間中に滞在した、「大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション」でのエピソードです。 当時は周辺の宿泊費が高騰していましたが、これまでに貯めたポイントを活用することで、驚くほど割安に滞在することができました。さらに、客室のアップグレードという幸運にも恵まれ、高層階からの素晴らしい眺望を堪能。そして何より、朝食バイキングのレベルの高さには家族全員で感動しました。地元の食材をふんだんに使った贅沢な料理の数々は、今でも鮮明に覚えています。 このカードを持っていなければ、私たちが自腹で1泊十数万円のラグジュアリーホテルに泊まることはきっとなかったでしょう。新しい世界や贅沢な体験の選択肢を教えてくれたことには、今でも深く感謝しています。
【3. 7年使って気づいた懸念点】
しかし、長く、深く使い続けるうちに、次第にいくつかの「構造的な懸念点」が無視できなくなってきました。
・無料宿泊券の使い勝手の限界 カード更新時にもらえる無料宿泊特典は非常に魅力的ですが、子連れで動く我が家にとって、利用したい「休日」や「繁忙期」は一斉に枠が埋まりやすく、選択肢がかなり限定されてしまう現実に直面しました。
・毎年リセットされるステータス 航空会社のマイル修行(JGC等)とは異なり、マリオットのステータスは毎年決済額や宿泊数によってリセットされます。どれだけ決済を重ねても、翌年にはまたゼロからのスタートとなり、資産として「積み上がらない」虚しさを感じ始めました。
・ゴールドやプラチナエリートの恩恵の不確実性 ホテルが混雑している週末や繁忙期は、いくらエリート会員であってもアップグレードやレイトチェックアウトの恩恵を受けられないケースが増え、思ったよりもリターンが小さいと感じるようになりました。
・度重なる年会費の値上がり 現在の年会費は82,500円(税込)。ラグジュアリーな体験代が含まれているとはいえ、固定費としては非常に重い水準です。
・公共料金の還元率の低さ アメックスの特性上、電気・ガス・水道などの公共料金や税金の決済時、ポイント還元率が通常の半分(200円=3ポイント)に半減してしまう点は、決済を集約する身としては大きな機会損失でした。
【4. 半年後ならぬ7年後の正直な評価】
ネット上の「半年使ってみたレビュー」とは異なり、7年間使い続けた私だからこそ言える正直な評価は、「ポイント還元率の高さと、それによって得られた宿泊体験自体は本当に素晴らしかった」ということです。 このカードが最も輝くのは、「旅行の頻度が非常に高く、宿泊先はマリオット系列一択、かつ平日の融通が利きやすい人」です。この条件に当てはまるなら、82,500円の年会費を払ってもお釣りが来ます。 しかし、我が家の場合、そもそも子どもや妻と私の仕事の都合もあって回数(タイミング)が限られており、なおかつ旅行先によっては「マリオット系列がない地域」や「旅館に泊まりたいシーン」もありました。冷静に我が家の状況を振り返った時、保有意義を考え直すに至ったのです。
【結論・次回予告】
マリオットアメックスを7年使って辿り着いた最大の真理は、このカードは「長く使うほど有利になる(積み上がる)カードではなかった」ということです。常に高い年会費を支払い続け、常に高い決済額を維持し続けなければ、その価値を維持できません。 だからこそ、家族のフェーズが変わり、固定費の最適化と次なる資産形成へシフトする今、私はこのカードからの「卒業」を決めました。 では、我が家がマリオットアメックスを解約し、次なるメインカードとして白羽の矢を立てたのはどのカードなのか? 次回の「比較編」にて、私の新たな決済戦略と、JALマイルへの集約を極める新しい相棒をご紹介します。どうぞお楽しみに。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。